

構成
シーン数
6シーン
ハンドアウト
4枚
(+3枚)
※マスターシーンやゾーキング情報が多く、実際には10シーン程度のボリュームです。
PC
🔮PC1 天涯魔法【覘深】を修得している
あなたは知り合いからある手紙の相談を受け、
手紙の差出人が異境「ソーラーレ」の毒土地帯にいると予言した。
その翌日、知り合いは書き置きを残して出発してしまう。
あなたは知り合いを追いかけることにした。
必ず天涯魔法【覘深】を修得してください。この魔法の判定は1度だけ自動で成功します。
あなたはシナリオ開始時から、核心に近い情報を知っています。
シナリオの根幹を知りながら、それを口にすることは許されていません。
特殊な視点でシナリオを遊んでみたい人向けです。
🌟PC2 オリジナル機関「波提」に所属している
あなたは機関「波提」の一員だ。
押収品や行先不明の物品を管理している。
5年前に届いた手紙を見つけたあなたは、
その文字が知り合いの刻印によく似ていることを思い出した。
オリジナルの機関に所属していただくため、システム上、機関への所属はできません。
「異端契約」シリーズを通しての継続枠です。
【検索】や【回想】を蔵書に組み込むことで、PC1の持つ情報を明かすことができます。
また、最終的に異端者と契約するのはあなたになります。
プレイ人数が1人の場合、PC1がこの役目を兼任します。
NPC ケルン・トゥ・ティモリ

PC1,2の共通の知り合いです。
プレイヤーが3人の場合、この枠をPC3として遊べます。
PCに特殊な設定が付与され、いくつかの行動がシナリオから決定されるため、NPC的な動きをしたい人向けのポジションです。
第三階梯 書工
領域:力 《大地》 《嵐》 《風》 《円環》 《謎》
【緊急召喚】 【悪夢召喚《風》】
【援護】 【栞】 【黒風】 【回帰】
PCが1人の場合、データ的に参戦する。
PCが2人の場合、登場するがエキストラの扱い。
PCが3人の場合、登場しない。
特殊なルール
▮情報プライズ(合計15個)
このシナリオでは、「情報:○○」という形のプライズが手に入ることがあります。
このプライズは、基本的にゾーキングで手に入ります。
また、ハンドアウトを公開することで手に入るものもあります。
これらは通常のプライズのように、アンカー欄に記入する必要はありません。
天涯の信条
天涯の信条の達成要件は、「情報:○○」のプライズを10個以上獲得することです。
楽勝だと思います。
一覧
このシナリオで手に入る情報プライズの一覧です。
プライズ一覧を開く
情報:金星の魔女
異境「ソーラーレ」の毒土地帯に居を構え、各所から逃れた故郷無き者たちを取りまとめ、毒土地帯の産業を確立させた先導者。この地の毒から身を守る加護を与える。
魔女と呼ばれているが、その性質は土地神に近い。
本名はアリーシャ・ルィ・ラシャゾ。
入手方法:導入①、商人と話す、住民と話す、調査者と話す、書籍卿との交換
情報:故郷無き者たち
このソーラーレの各地帯は、「星」の運行区域によって8つに分けられる。
「星」を司る異端者の思想・価値観によって、地帯を追い出されたり、自ら離れたりする者は少なくない。毒土地帯はその厳しい環境の反面、誰しもに平等である。
金星直下はソーラーレの受け皿だ。遠い、遠い昔から────。
入手方法:書籍卿との交換、あるいは調査者の出自について尋ねる
情報:金星の「ドクター」
自らを「デスレス」と名乗る男で、街には絶対に現れない。
毒土地帯に迷い込んだ人間は、彼に助けられて帰ってくることも多い。
「ドクター」と呼ばれ親しまれているが、本人はいつもキレている。
ここ5年ほど、「ドクター」に助けられたという証言が増えているようだが……
入手方法:商人など外部の人間と話す
情報:ソーラル語の複数形
毒土地帯に残る石像のひとつに、1本の大剣を持つ男と、3本の短剣を持つ男の像がある。
台座には似たような文字が刻まれているが、後者のみ「ㄱㄱ」が末尾についている。
これは複数形を意味すると考えられている。
入手方法:廃墟の調査者、あるいはPC③の解説
情報:毒土地帯で手に入るもの
魔女の褥、妖精のレンズ、箕の壺、鍵型の焦点具、遠見の水晶など
入手方法:蒸気地帯で出会う商人に商品を尋ねる、並べられている品物を見る、書籍卿との交換
情報:古い記録(PC1,2)
読めない文字で書かれた記録。
入手方法:HO【古い小さな家】の秘密を公開
情報:古い記録(PC3)
常に神々が3人であったことがわかる。
入手方法:HO【古い小さな家】の秘密を公開
情報:新しい記録
主に毒土地帯の信仰についてまとめられた調査書。
あちこちに石像が点在していること、石像の台座だけが残されている場所もあることなどがわかる。
また、神々の人数は基本的に2人だ。
記録の一番上(最も古い時期)に、「袋綴じ事件」の文字がある…。
入手方法:HO【古い小さな家】の新しい記録を読む
情報:袋綴じ事件
ソーラーレ全域において、
「本が読めない」「開けない」という怪奇現象が発生した事件で、
発生時期は古い記録が途切れた直後である。
入手方法:廃墟の調査者など、知っている人に訊ねる
情報:特産品「魔女の褥」
その場で起きたことを愚者に忘れさせるアイテム。
かつては魔女が手ずから暗闇を切り取って編んでいたようだが、
ここ最近は星の光によって切り落とされるのを拾い集めるばかりだ。
入手方法:書籍卿との交換、病人や商人に聞く
情報:病人
毒土に蝕まれた病人が横たわっている。
元は毒土地帯の魔物を狩る、狩人であったというが、
一年半ほど前に毒に体を蝕まれてしまったのだそうだ。
金星の魔女が時折様子を見に来ているらしい。枕元には黒いカーテンのような布が置かれている。
入手方法:HO【古い小さな家】の奥で寝ている病人について尋ねる
情報:黎明期の計画
奇病により石と化した体に断章を憑依させ、土に埋め大地と同化させる。
断章は呪いを掛けられており、石の体から出ることはできない。
繰り返すことで、一地域が複数の断章による「封土」となる。
そのため断章は土地の支配権を巡り、争い、計画の中心地となった金星直下は
「その時最も支配力を持つ断章、または禁書」の魔法災厄で覆われるようになった。
これが変遷する毒の正体である。
ソーラーレ全域の災厄を一箇所に集めたこの行いにより、無数の愚者が石になって土に埋まっている。
当時はこの儀式によって土地を守護する神が生まれるとされた。
そのような信仰によって、非道徳的な行いを認めさせたということである。
【!】この計画に対し、《謎》または《追憶》で判定。
成功すると、「土に埋める誰かが必要だったはずだ」ということに気が付く。
しかし、探しても探しても”その記録は無い”……
入手方法:導入①、商人と話す、住民と話す、調査者と話す、書籍卿との交換
情報:黎明期の奇病
はるか昔のソーラーレでは、身分の高い者を中心に「石衣病」が流行った。
体表面が徐々に石化し、体外と体内で魔素・魔力のやり取りが出来なくなる病気だ。
当時流行した嗜好品が原因だったと言われている。
肉体を持つ魔法使いは魔力の調整が上手くいかず死に絶える者も多かったが、一方魔力を持たない愚者は体組織が変質し、半死半生の状態で永劫を過ごすものと思われた。
しかし現代のソーラーレでは、石衣病はあまり知られていない。彼らは何処へ行ったのだろうか。
入手方法:書籍卿との交換
※当時を知っている書籍卿との交換でしか得られない情報。優先して開示する
情報:八血陣の七つの椅子 (「黎明期の計画」入手前)
ソーラーレの八つの地帯には、それぞれの星の管理者がいる。
全て異なる種族の者たちで、八血陣と呼ばれている、黎明期から続く管理者だ。
人間、吸血鬼、龍種、2人の悪魔、妖精、夢魔、土地神の7種8人で、
ここ金星直下は土地神────魔女の管轄にあたる。
とはいえ、毒土は長らく誰も星を管理しない土地とされていた。
土地神のおこりを知っているならわかるだろうが、彼女は作られた神だ。
元々は七つの椅子の二つを悪魔が使っていたそうで、
土地神が生まれ、8人になったから、悪魔がひとつ椅子を譲った………という逸話がある。
入手方法:書籍卿との交換、魔女と話す、住民と話す
情報:八血陣の七つの椅子 (「黎明期の計画」入手後)
ソーラーレの八つの地帯には、それぞれの星の管理者がいる。
全て異なる種族の者たちで、八血陣と呼ばれている、黎明期から続く管理者だ。
人間、吸血鬼、龍種、2人の悪魔、妖精、夢魔、土地神の7種8人で、
ここ金星直下は土地神────魔女の管轄にあたる。
とはいえ、毒土は長らく誰も星を管理しない土地とされていた。
土地神のおこりを知っているならわかるだろうが、彼女は作られた神だ。
元々は七つの椅子の二つを悪魔が使っていたそうで、
土地神が生まれ、8人になったから、悪魔がひとつ椅子を譲った………という逸話がある。
入手方法:書籍卿との交換、魔女と話す、住民と話す
情報:片隅の写真
蒸気地帯との交易によって手に入れた、新型の写真機を使ったもののようだ。
街の人々と魔女が笑顔で写っている。裏側には文字が書かれている。

入手方法:HO【儀式の痕跡】の写真を見る
▮戦闘開始時に公開されるハンドアウト(HO)
このシナリオのハンドアウトには3種類あります。
うち、主要な行動「調査」を行う想定のハンドアウトは①のみです。
①通常の手番で調査することを想定しているHO …4枚
②メインフェイズの魔法戦開始時に公開され、
【検索】や【回想】などの手段で調査することを想定しているHO …2枚
③PC1が予め秘密を知っているHO(クライマックスフェイズで公開) …1枚
②は全て、集団戦(禁書戦)で【検索】の対象にすることが出来ます。
万一取りこぼしてもクライマックスで回収できるということです。
▮真実への到達
メインフェイズ終了時、マスターシーン「毒土の史を語り」が発生します。
このシーンでは、NPCからの質問に答える形で、今回の事件を整理します。
①過去について 担当:天涯の魔法使い
この地の信仰や、土地神のおこりなどについて整理します。
②現在について 担当:波堤の魔法使い
今回、2人がここを訪れた目的と、現在の街の状況について整理します。
むろん、答えはプレイヤー間で相談して構いません。
情報を整理するターンですので、間違えてもNPCから誘導が入ります。
質問に完答すると、セッション終了時に獲得する功績点が1点上昇します。
背景
背景を開く
金星の魔女。
異境「ソーラーレ」の毒土地帯に居を構え、各所から逃れた故郷無き者たちを取りまとめ、毒土地帯の産業を確立させた先導者。
その正体は黎明期、ソーラーレ全域を覆う「毒」───禁書をひと所に集めようという計画の主導者であり犠牲者である。
半死半生の愚者を依代に禁書を集め、生き埋めにすることでいつか土地と成り、愚者に憑依していたはずの禁書は封土と化す。
愚者らは「魔除」と呼ばれ、一連の人身御供的行為は───これは都合の良い説明のためだが───神へと至る崇高な儀式とされた。
魔除らは有毒な空気から人々を守る力を持ち、禁書を鎮めて地上へ帰ってくるとされた。
魔除として選ばれた者
当時の貴族位たち。食生活の関係で彼らだけが罹患する奇病があった。
生きながらに死んでいく未来を憂い、尊厳あるままに死なせて欲しいというプライドがさせた選択である。
禁書は憑依を途中で解けるのではないか
内外を断絶する魔力の核、それが石化する病によって現れる「石衣」の症状である。
信仰を作り上げ、保つための存在が必要
”土守”がこれにあたる。彼らの家を調査することで過去の事実を知ることが出来る。
かつてはそれぞれ違うものに憑依していたはずの禁書は折り重なり、ひとつの土地に幾重もの憑依が起こる。
さながらその様相は蠱毒のようであり、最も影響力の強い禁書の「毒」がこの地を覆うようになった。
この勢力図は時折変化を見せ、何十年という単位ではあるが、検出される毒の種類がところどころ変化し続けている。
一方、創られた信仰は土地神を生んだ。
土へと還った愚者は禁書との強い結び付きを辿り、「その時最も影響力の強い禁書」の依代になっていた者が土地神として地上へ現れた。
金星の魔女もこのうちの1人である。
毒土地帯の神話において、神々が三姉妹や三兄弟であることが多いのは、ひとつの禁書に依代が3人いることが多かったからだ。
彼らが同時期に1グループしか存在しないのも、蠱毒に打ち勝った禁書がその時々で異なるからである。
また、毒土地帯における居住地が一定の周期で入れ替わっているのもこれが理由だ。
土地神の力は、その本体でもある土に埋まった体を中心に広がる。
その時一番安全な土地は、現れた土地神がどこに埋められたかで変わるということである。
信仰を持っていた者
土地神信仰は土守によって保たれた。神へ至る儀式の末、眠りを経て世に現れるため、土をみだりに掘り起こしてはならないとされる。しかし全てのものが信心を持っていたわけではない。過去、盗掘団によって石の体が掘り起こされたことがあったが、魔法災厄により一団が壊滅した。当時の土守はこれを「眠りを妨げた報い」として、土を掘り起こすことをよりかたく禁じた。毒土地帯の産物に、土から掘り出せるものが少ないのもこれが理由だ。多くがキノコや岩に生える特殊なハーブである。
土地神として強い力を得た魔除の中には、禁書を編纂し完全な支配下に置いた姉妹や、
禁書の力を用いて土地神という枷を外し、遠くへと旅に出た兄弟がいた。
そのような禁書はこの毒土地帯での影響力を失い、また新たな禁書が大地を蝕む権利を得た。
それと時を同じくして、新たな土地神が生まれるというわけである。
古い土地神で、この地を捨てなかったものは金星へ行った。己の石の肉体を持って、金星を今度こその墓場とした。
神の棲む星として人知れず栄えたそこは、しかし信仰の衰えと共に朽ち、今では神々の石像が立ち並ぶのみとなっている。
いずれも、かつては生きて動いた神の姿である。
そう、信仰の衰えだ。土地神にとっては致命傷ともいえるこのことが、なぜ今になって引き起こされたか。
”土守”がいなくなったからである。土守は街の聖職者でもあり、土地神の現出を保証するための生き証人であった。
土守の家にのみ黎明期の真実は伝えられ、信仰を維持する必要を説きながらも、同時に真実を民衆へ伝えてはならないことを教えていた。
あれらがただの奇病患者だと知れば信仰が瓦解する。あるいは信心深いものによって街は分かたれ、望まぬ対立を生むだろう。
土守は信仰と秘密を守るために受け継がれてきたのだ。しかし、土守は絶えた。
土守が絶えた理由
「消滅」である。そのため土守の存在は消え去り、PCたちの前には名残という形でしか現れない。さらに皮肉なことに、土守が信仰の鍵を握っていたせいで、街からその信仰がほとんど失われてしまった。そのことを訝しみ、研究しているのがアズィである。原初の土守の正体は、本来この土地にあって、自然に生まれた黎明期の土地神である。原初の土守は己の存在が絶えることを危惧し、各地に子孫を残し、有事の際は血縁を頼るよう伝えた。しかし、最後の土守は彼らを探す旅に出て戻らなかった。最後の土守の消滅は、別の土地の事件に関係している。《焼け着いた極冠》の故郷を焼いた事件───火星直下の磁層喪失である。《焼け着いた極冠》がケルンあるいはPC③の姓を知ることがあれば、その名を知っていると告げる。しかし、《焼け着いた極冠》は当時のことを語りたがらない。ケルンの血縁が正しく血を残したとすれば、火星直下に渡った土守の子孫は過ちを犯したという話だ。常に聖人ばかりが生まれるわけでもない。
信仰の衰えは、土地神の減少という形で現れた。3篇の断章を封じるのに3人が必要だが、うち2人しか土地神が現れない、というようなことだ。
そしてついに、今の魔除の代で1人になった。
魔除は恐れた。いずれこの毒土を抑え込む力は潰え、ソーラーレ全域が再び混沌に沈むことを。
そして何よりその過程で、愛した街とその人々が、根源や元凶として世界に隔てられ、拒絶されることをだ。
このままでは居られない、だが信仰の衰えた土地神に出来ることは少ない。
方策は二つ、信仰を復活させるか、別の力で禁書を抑え込むか。
しかし、毒土地帯はただでさえはぐれ者の地。書籍卿などの”加護が無くとも毒土地帯で生きてゆける者”も増え、信仰の復活は望めそうにない。
何より土守が絶えた今、一時は盛り上がったとしてもいずれ廃れるだろう。
とはいえ試さなかったわけではない。
これまで各々の生活だけを目的に加護を授けていたが、毒土地帯で採れる魔法の品々を基盤に産業として確立させた。
しかし対外的な生産は同時に、その製法や産物の在り処の情報を広く行き渡らせてしまうことにもなった。
結果、魔法のアイテムを求めて書籍卿たちが多く滞在するようになったため、依然として信仰の形はあまり変わらなかったのである。
もしもPCたちが書籍卿に出会うなら、彼らはアイテムを求めてこの地にやってきているため、無益な争いは避けるだろう。
新たな土守を作るか?原始の土地神と同格の者を新たに?……現実的な方策として、魔除は外部に助けを求めることにした。
しかしここでまたも、「毒土地帯ははぐれ者の地」という問題が顔を出す。
ソーラーレには、毒土地帯の危機に手を貸してくれるような組織は無かった。
いや、正確には貸せる手がない。魔法使いの数が圧倒的に足りない。
八血陣と呼ばれる運行者の集まりも、互いの領土に一切の干渉権を持たない。しかし、世界の外にはあった。
そう、禁書を蒐集し、その被害から愚者を守らんとする組織───大法典が。
かつて一度だけ大法典の魔法使いがここを訪れたことがある(異境の食材を求め各地を旅している魔法使いが)。
魔除は手紙を出した。
どうかこの地を助けてくれないか、と。
それは直ぐに大法典へ届き、そして、
解読に5年を要した。
魔法使いたるもの、多少の言語の差が障壁になることは少ない。
異境の住人や越境者とも、会話に困ることは基本的にない。ゆえに、その難航は不自然でもあった。
わからないのだ。それは消滅した土守の一族が、”かつてソーラーレ全域で使用されており、現在では毒土地帯の一部に残る言語”「ソーラル語」を司る土地神の一族だったからである。ソーラル語を解説する書籍はことごとく開くことが出来ず、石版の文字はひとりでにひび割れていた。
口頭でのみ、今も毒土地帯にて受け継がれている。
手紙はこのソーラル語で書かれていたのだ。魔女がこの文字を書くのは、当時の人間だからである。
魔法門も通じていない異境から、知られていない言語の手紙が届く。こんなことは、大法典には珍しいことでは無い。
なにせ常に異端者や禁書の不可解な行動に頭を悩ませている。大抵が一度は吟味され、そして悪戯として片付けられる。
魔法使いの消滅という強い因果に結び付けられた言葉は、紐解かれることなく終わったと思われた。
5年後に一人の魔法使いがその手紙を見つける。押収品や行先不明の物品を保管し、定期的に整理・処分している機関「波堤」の一員だ。
PC②がいる場合、それはPC②である。書庫の整理をしていて、たまたま見つけたのだ。
魔法使いはその文字が、知り合いが魔法を使う時に浮かび上がるマークと似ていることに気付く。
その知り合いこそ土守の子孫、逃げ延びた土地神の血を引く魔法使いである。彼は手紙を一部分だけ読むことができる。しかし、子孫の自覚は無い。
大元が消滅して長く、さらに血も薄れた末裔は、なぜ自分がその手紙を読めるのかわからなかった。
悩んだ末裔は知人の天涯、PC①に助言を求める。そして3人の、毒土地帯へ至る旅が始まる。
手紙には肝心の場所が書かれていなかったが、紙の中に読路が仕込まれていたため、末裔は1人で行ってしまった。
行先で【念話】は通じない。末裔が何処へ降り立ったのかはわからないが、天涯の予言により異境「ソーラーレ」の金星直下、毒土地帯へ向かうことになる。直接の門は通じておらず、水星直下を通っていくことになる。またその過程で、毒土地帯の噂を耳にする。
末裔とは比較的早くに合流できる。彼は祖の魔力に触れたことで末裔の血が目覚めたが、祖は消滅しているためその運命は疵として現れた。
疵の理由も塞ぐ方法もわからず、しかし導かれるように毒土へ足を踏み入れた。魂や本能に近いものだろう。
今現在毒土地帯にいる魔女は偽物だ。本物は5年前、断章の反逆に遭い、金星にてじっと身を潜めている。
断章は魔女を完全に殺したものだと思っていたが、5年経っても人々が魔女のことを全く忘れないことに不自然を感じ、やがて魔女が金星への魔法門を開いた痕跡を見つけた。今度こそこの地を乗っ取るため、再度魔法門を開き、神殺しを行おうとしている。
PCたちの来訪は想定外だったが、嘘を教えて神殺しに協力させようとしている。
PCたちの使命は、手紙の主と末裔を助けることだ。
クライマックスの戦闘が始まる前、断章はPCたちに偽の真実を明かす。
「魔女は5年前殺したわ!」「門を開いてくれてどうもありがとう。」
「今から星が堕ちるの、この土地は再び混沌に落ちる」「止めたい?星を壊すしかないわよ、間に合うかしら?」
───このように焚き付け、金星をPCたちに破壊させようというのだ。
クライマックスフェイズでは「金星を破壊せず、禁書だけを編纂する」ことが必要になる。
また、その確信はHO【金星直下、毒土の魔女】の秘密を明かすことで得られる。このハンドアウトの秘密を、PC①は既に知っている。
【検索】や【回想】などを用いて、戦闘中に公開することもできる。
一方本物の魔女は金星への門を開くことで出会える。金星には過去の神々の肉体だったものだけが残り、全て石化している。
この土地にとって神とは禁書を鎮めるためのものであり、役目を果たした神は土地に選ばれない。
信仰の絶えた今、過去の神々は既にいない。常にその時一番の影響力を持つ禁書に、縁のある魔除けがいるだけなのだ。
当代の土地神はPCたちに助力を願い、提案する。
この地の禁書を全て回収するまでの間、土地神として以外の存在の依代が欲しい。
私と契約を結んでくれないか、と。
NPC

イラスト : いはらまち 様
金星の魔女
アリーシャ・ルィ・ラシャゾ
土地神
女
異境「ソーラーレ」の毒土地帯に居を構え、
各所から逃れた故郷無き者たちを取りまとめ、
毒土地帯の産業を確立させた先導者。
ソーラーレの星を司る、8人の運行者の1人である。
詳細(シナリオの内容を含みます)
死亡したアリーシャの肉体に憑依した断章である。
アリーシャは死亡しているため、アリーシャの能力は使用できない。
5年前、断章に内容を悟られぬよう、
一縷の望みをかけてソーラル語で手紙を出した。

廃墟の調査者
アズィ・ナーディア・ルタ
愚者
男
毒土地帯における信仰の歴史を調査している。
義理堅く好奇心旺盛な人物。
話したがりで、1聞くと5から10返ってくる。
詳細(シナリオの内容を含みます)
ドクターに育てられた「魔法使いの子(ナーディア)」。
かつて”祝祭の百二十”に捨てられ、彼に拾われた。
ソーラル語を研究しており、PCたちの手助けをする。
たかだか70年前の信仰が残っていないことに疑問を持っている。

金星の「ドクター」
《Dr,Soulist》
理想郷
男
この地を愛し、この地に迷い込む愚者へ施しを与えている。
他地帯との交易を初めてからというもの、
怖いもの知らずが頻繁に現れて忙しい。
ちょっとキレている。
詳細(シナリオの内容を含みます)
5年前からの魔女の動向に不信感を覚えている。
第五階梯だが、「袋綴じ事件」以降魔法の使用に難儀している。
手の甲に夢の疵を持つ。

よく窓から来る人 舞台袖の演者
《焼け着いた極冠》
混血主義者
男
「常闇の書」を求めてやってきた。
己の美学の都合上、
PCたちが先に入手した禁書へちょっかいはかけてこない。
詳細(シナリオの内容を含みます)
火星直下出身。故郷が「星の光」に焼かれて以来、
そうでなかった世界や、そのための可能性を求めている。
シナリオ本文
導入
導入① 波堤へ掛かるは
シーンプレイヤー:PC②あるいはGM
「波堤」の魔法使いが手紙を見つけ、知人のことを思い出すシーン。
ほかの機関と半ば兼業の魔法使いが多いことや、このような悪戯の手紙はよくあることなど、
事件の背景を説明する。
好きな特技で判定を行い、成功すると「情報:金星の魔女」を入手する。
シナリオアンカーとしてPC③またはNPCを獲得する。魔法使いのアンカーとなる。
テキスト
ここは大法典、第七十八番倉庫。
機関「波堤」が管理する、押収品や行先不明の物品倉庫である。
魔法使いに関わる情報の遺失を鑑みて、5年に一度の大規模な廃棄作業を行っている。
そしていま、正に君も、その大掛かりな棚卸的作業に駆り出されているというわけである。
機関「波堤」の仕事の9割がこれで、あとはこの七十八番倉庫に入室できる権限を持っているから鍵を開けてくれと頼まれるぐらいしか仕事は無い。
他の大規模な機関と兼務している魔法使いも多く、
5年に一度のこの集まりにすら顔を出さない者もいる。
「おーい、こっちの箱、頼むよ。」
きみの前に置かれた箱、それはなんてことだ、しちめんどうくさい書類の山!
だって全部情報なのだ。
何が消えていて何が残っているのか全て読まなければならないし、
書籍卿が送ってくる意味不明の恋文とか、異端者どもの悪戯偽造文書とか、もう最悪なのだ。
きみが余程変わり者でなければ。
—-
さて、では読んでいこう。好きな特技を選び、判定をどうぞ。
成功すると情報プライズが1つ手に入るぞ。
成功→
これはきみが目を通した情報のうちの一つだ。
大法典が持っていた調査報告書で、書籍卿に盗まれたあと押収されたらしい。
まったく壮大な旅路だな。プライズ「情報:金星の魔女」を獲得する。
—-
きみは1枚の、意味不明な文字で書かれた手紙を見つけることになる。
おおかた異端者の悪戯だろうが、いやちょっと待てよ。
きみはこの文字を見たことがある。
知り合いが魔法を使う時に、浮かぶ刻印が確かこんな文字だったような気がするのだ。
名は「ケルン」、第三階梯の書工である。
きみは彼に連絡をとることを思いついた。
導入② その血の末端
シーンプレイヤー:PC③あるいはGM
なぜか手紙を読むことが出来る魔法使いのシーン。
手紙には読路が込められていることがわかるが、どこに通じているかはわからない。
手紙の文字を画像として出しておく。2人は天涯の魔法使いに助言を求める。
ほかのプレイヤーに秘匿して、任意の疵をひとつ得る。
これがシナリオアンカーになる。PC③がいない場合、このシーンは省略しても良い。
テキスト
ケルン・トゥ・ティモリ。
ただいま知人の連絡を受け、七十八番倉庫に到着。
知人から手渡された手紙に困惑中。
「ええと……」
「参ったな」
「一応、一応聞こう。この手紙を俺に見せてくれた理由は?」
—
「参った。」
「違うんだ、読めるとかじゃない……でもな、こう、わかるんだ」
「ちょっと心して聞いてくれ。友人、ここに書いてあることは」
「 わたしたちを助けてください だ…」「…… 信じるか?」
詳しく調べればわかることだが、この手紙には読路がこめられている。
つまり、どこかへと通じているということだ。
さらに言うと、読路を用いた場合、持ち主と読路ごと移動してしまうので、誰か1人しか行けないということだ。
これはいけない。どうしたものか。
「まあ待て、相談してみようじゃないか」
「安心してくれ、俺は友人が多い。天涯はどうだ?きっといい答えをくれる」
導入③ 予言は毒土へ
シーンプレイヤー:PC①
天涯の魔法使いが予言を行うシーン。
手紙の差出人は異境「ソーラーレ」の毒土地帯にいること、
恐らく読路もそこへ繋がっていることを予言する。
そして③(またはNPC)が発ってしまったことを知らされる。
天涯特記「予言」の処理を行う。
シーンの最後に【覘深】の判定を行う。この判定は成功したものとして扱うが、
呪文の使用判定に成功した場合は「眠り姫の助言」の使用回数を1回増やす。
シナリオアンカーとして「毒土地帯」を獲得する。土地のアンカーとなる。
テキスト
そして今に至る───そういうわけである。
あなたはこのシーンで、天涯特記「予言」を行います。予言の方法は、好きに演出してください。
手紙の差出人は異境「ソーラーレ」の毒土地帯にいること、
恐らく読路もそこへ繋がっていることを予言してください。
使命は「手紙の主を助けること」、達成の可否についても予言してください。
また、導入シーンに満足したら、シーン終了の宣言として、メインタブで【覘深】を使用してください。
この魔法は1度だけ自動で成功しますが、
それはそれとして判定に成功すると「眠り姫の助言」の回数が1回増えます。
ソーラーレの地を踏んだことがあるだろうか。きっとないだろう。
その血の末端はどこへ征くだろう。それもまだわからない。
しかしその知は、あるいは瞳は 真実と未来を視る。
機関魔法・天涯
【覘深《ゲイジングアビス》】
(前略)この呪文の使用者は、その【秘密】の内容がほかのPCに明らかになるまでに、
その内容をほかの者に知らせてはいけない。
この呪文の使用者がその内容を知らせたとGMが判断するたび、
この呪文の使用者は2d6点の【魔力】を失う。
そして、その翌日。
波堤の魔法使い、きみは再び天涯のもとを訪れることになる。
「ケルンが読路と共に発ってしまった」という報せをもって───
ケルンの工房には魔法門の通行許可証が3枚と、
「悪い 先に行く」と走り書きされたメモ、
そして血を吐いた痕跡があった。
2人は、どのようにしてか、結論として彼を追いかける決断をする。
そうしてきみたちの、予言の旅が始まる。
─── メインフェイズ ───
ハンドアウト
【毒土地帯で暮らす場所】
初期公開
▮概要
毒土地帯は不定期に変化する毒で全体が覆われており、
普通には暮らしていけない。
金星の魔女が暮らしを支援しているという。
しかし居住地らしき場所はどこも廃墟になっている。
秘密
今の居住地は北東の奥地にあるようだ。
以降、 プレイヤーは「居住地」へ向かうことができ、
その場合シーン表と、世界法則の一部が変更される。
この秘密を公開すると、
マスターシーン【廃墟の調査者】が発生する。
【古い小さな家】
初期公開
▮概要
毒土地帯の中央に位置する小屋だ。
古びた家財や朽ち果てた庭具のほかに、比較的新しい書類や食料がある。
誰かが調査の拠点にしているようだ。
!情報鍵:《追憶》《大地》
PCたちが家に到達したら以下の記述を追加する。
新しい記録の下の方に、古い記録がある。
しかし、どうにも読み解けない。
秘密
古い記録が読めないのは言語が違うからだけではない。
文字や図形が認識できない、張り付いた頁が開けない…
これは「誰かの消滅によって読めなくなった記録」だ。
プライズ「情報:古い記録」を獲得する。
【断章の居場所】
MS【毒土の魔女】で公開
▮概要
魔女の話では、門を封じている断章は《常闇》と《星蝕》の2篇。
しかし街周辺のどの石像も、断章が憑依している気配はない。
秘密
道理で見つからないわけである。
その石像は地中にあったのだ。
魔力を辿って辿り着いた場所には、なるほど確かに、
目印のようなものが突き立っていた。
断章《星蝕》に魔法戦を挑めるようになる。
【儀式の痕跡】
MS【毒土の魔女】で公開
▮概要
奥の部屋にある儀式跡。
床に陣が描かれ、部屋の隅には写真が一枚落ちている。
魔法使いには、この陣が「魔法門を開いた痕跡」だとわかる。
秘密
儀式に必要なアイテムについて知ることが出来る。
使用された痕跡があるのは「魔女の褥」、「焦点具」と「遠見の水晶」だ。
断章が使用された痕跡はない。
※このことについて魔女に尋ねると、
以前使われたのだろうアイテムが手に入らないから禁書の力を使うのだと説明される。
嘘である。魔女には立ち去らせ、不信感を煽ると良い。
また、街で全ての材料が手に入ることはゾーキングで明かして良い。
【土被る石像】
断章《常闇》戦で公開
▮概要
少女の姿をした石像。
魔道具と思しき装飾品がいくつも飾られており、
何かを封じ込める目的だったのではないかと考えられる。
「ツチモリサマ」と口にした。
☆このハンドアウトは【検索】の対象となる。
秘密
彼女は、元は貴族の娘だった。
ソーラーレの黎明期に実行された、
「ソーラーレ全域を覆う複数の禁書をひとところに集める」計画の参加者である。
プライズ「情報:黎明期の計画」を獲得する。
【装飾の多い石像】
断章《星蝕》戦で公開
▮概要
断章が憑依している石像。
魔法戦を挑めば、地中から這い出て来た。
意味不明な言葉で喚き続けている。
☆このハンドアウトは【検索】の対象となる。
秘密
「アリーシャ、アリーシャ、ごめんなさい」
「あなたと一緒に行けなかった、わたしあなたと目を覚ませなかった!」
「一人で頑張っているの?」「今どこにいるの?」
「アリーシャに言わなくちゃならないことがあるの」
「わたしたちツチ*リ*マの代わりなの、本当に神になるのよ……」
※この少女からもう少しヒントを出すのであれば、
「地上にアリーシャはいない」と言わせてしまっても良い。
【金星直下、毒土の魔女】
禁書戦で公開
▮概要
魔女の正体は、彼女に成りすました禁書だった。
あなたがたに門を開かせ、この地を完全な封土にするつもりだ。
「魔女は5年前に殺した」と言った。
「遠い闇から星が堕ちるの」と言った。
永らえたければ、壊して見せよと言った。
このハンドアウトの【秘密】を知っている魔法使いは
ラウンドの開始時に【追加ダメージ1】を得る。この効果は累積する。
☆このハンドアウトは【検索】の対象となる。
秘密
第一にあなたがたは断章を回収し、門を開かなければならなかった。
それが如何なる結末を呼び込むとて、其れを無くして彼女を救うことは出来ない。
第二に星を落としてはならない。しかし壊してもならない。
どのような甘言にも惑わされてはならぬ。【彗星】を剥奪せよ。
第三に彼女は殺されてなどいない。
5年前の手紙の主、彼女はまだ生きている!
このハンドアウトの秘密が全体公開されたとき、
プレイヤーは、「金星」の魔力がいくつあるかを任意に決定する。
信ずるときそこにあるのが神の加護である。
マスターシーン
異境「ソーラーレ」
発生条件:メインフェイズ開始時
異境「ソーラーレ」の説明を行う。
魔法門が繋がっているのは蒸気地帯のみで、毒土地帯へはそこを通っていくことになる。
蒸気地帯の住人から、「あそこへ行くのか?あまりお勧めしないぞ」と声をかけられる。
住人は毒土地帯の産物を仕入れている商人でもある。「毒土地帯」の世界法則を公開する。
HO【毒土地帯で暮らす場所】HO【古い小さな家】を公開する。
このシーンでは商人に対してゾーキングが行える。毒土地帯について詳しく聞くことができるわけである。
PCたちが毒土地帯に到達したらシーンを終了する。
テキスト
異境・ソーラーレ、蒸気地帯。
大法典が所有する魔法門を通じて、きみたちはここへやってきた。
至るところから湿気を含んだ煙が吹き出し、髪や服を湿らせていく。
この地に魔法門が繋がっている理由は定かではないが、
目的の毒土地帯がどの方角にあるかはすぐにわかるだろう。
何せ、暗い。それに色のついた霧が掛かっていて、まったくどう見ても体に悪い。
だがその不健康極まりない土地から、ひとりの男が大荷物を担ぎ歩いてくる。
毒土地帯から来たのだろうか。
—-
うっそうとした森が、まとわりつくような毒の霧が、きみたちを出迎える。
あまり生きた命の気配はない。しかし静寂とは言い難い、不明なざわめきがあった。
木々がほの昏く微笑むような、空がのったりと夢をみるような─────
廃墟の調査者
発生条件:HO「毒土地帯で暮らす場所」の秘密を公開
PCたちは過去の居住地跡を調査している愚者に出会う。
毒土地帯における居住地は時々移り変わっていること、その地ごとに別の信仰が存在したことを明かす。
また、ソーラル語の複数形について示しておく。これにより「わたしたち」が後半の単語であることが分かり、魔女の家の書き置きが「助けてください」だとわかる。プライズ「情報:ソーラル語の複数形」を獲得する。
この段階では、「過去の信仰対象は2人だった」ということになり、土守の家の情報と矛盾が生じる。
シーン終了前、調査者はPCたちに情報の共有を持ちかける。
GMはクライマックス手前で情報の整理シーンが挟まることをプレイヤーに告げる。
テキスト
きみたちが道中立ち寄ったのは、数ある廃墟のうちのひとつだ。
そこには比較的新しい形で、2体の石像が残っている。
片方は1本の大剣を持ち、もう片方は3本の短剣を持っていて、
いずれも勇敢な姿で、空に向かって武器を掲げている。
…と、背後から二人に声が掛かった。
「それは推定70年前の神像だと考えられる。」
「この付近が一番、生態系が崩れてるんだ。」
「土地が人間を生かすのに限界が来て、居住地を移ったんだろう」
「そこの台座をよく見てみな。」
—-
2つの像の台座にはよく似た文字が書かれていたが、
”1本の大剣の像にはなくて、3本の短剣の像にはある”文字が在る。
それは「ㄱㄱ」という末尾の文字だ。
「それがソーラル語における単数形と複数形の違いさ。面白いだろ?」
「おっと失敬、俺はアズィ。アズィ・ナーディア・ルタ。怪しい者じゃあないぜ」
毒土の魔女
発生条件:初めてシーン表「居住地」を振る
偽物の魔女に出会うシーン。魔女はPCたちを家に招き、偽の顛末を話す。
しかし真実もある。例えば魔女が土地神であり、信仰が衰えているということだ。これにより禁書を抑える力が薄まっていることも、過去の土地神が金星で暮らしていたことも真実だ。
偽物の魔女は続ける。「わたし1人ではもうどうにもならないところまで来てしまった。5年前の件はなんとかなったのだけれど、改めて協力をお願いしたいの」「過去の土地神たちに頼ろうと思う。金星の加護は今も続いていて、誰かは現存しているはず」「金星への魔法門を開きたい」「門を封じている2体の石像から断章を回収して欲しい」と。また、「毒土に蝕まれた住人がいる。急いで処置をしに行かなければならない」と言い、魔女は足早に立ち去る。
その際、天涯であるPC①に少し視線を残していく。警戒である。
テキスト
かつ、かつ…
足音が迫る。
その魔法の気配はそこまで強いものではなく、
しかし別の存在感を持ってそこにあった。
「いらっしゃい、旅のお方」
「金星直下、毒土の地帯へようこそ!歓迎するわ」
>アリーシャ?
「はい、私がアリーシャ・ルィ・ラシャゾ」
「八血陣が一筆、悪魔の椅子を譲られた女」
「この街を取り仕切る魔女と呼ばれています」
「ここに来た理由を聞かせてもらってもいいかしら?」
>手紙を受け取って来た
「てが み …」
魔女の表情はみるみるうちに変わった。
「あっ ああ なんてこと、本当に来てくれたの」
「私ったら気付かなくて、ごめんなさい あれを出したのは5年も前なの…」
「…ちょっと 長い話になるわ」
「うちに上がって、すぐ近くなの」「ちゃんと訳を説明します、本当に来てくれてありがとう…」
>魔女の家へ
本当に近くに魔女の家はあって、玄関の近くの部屋に通される。
出されたお茶の色はどう見ても毒だったが、
なにかうまいふうにやってあるのだろう、ちゃんとお茶の味がした。
まず、きみたちは「情報:黎明期の計画」にあるような話を聞かされる。
過去、土地神を生むと偽って、この金星直下を毒土に変えた行いの話だ。
「結論から言って、土地神は生まれたわ」
「この私のように、そして過去にも……」
「…ねえ、魔法使いであるあなたがたなら、禁書が基本いくつの断章に分かれるかは知っているのよね?」
「私たちはその身に、ひとりひとつの断章を宿して眠った」
「だからね…… 土地神は3人生まれるはずなのよ。」
「その禁書を鎮めるための土地神として……」
「だけど、わたしが目覚めたとき、傍にはだれもいなかった」
「つまり、この地の信仰は瓦解しています。」
「今に土地神は1人も生まれなくなる。そうなったら、この毒土を封土にする禁書を止めるものはいないわ」
「5年前、私は私が宿した断章に自我を奪われかけて………」
「それで手紙を出したの、そのときのことは結局、なんとかはなったのだけど」
「わたし1人ではもうどうにもならないところまで来てしまった。改めて協力をお願いしたいの」
>最初から土地神を生むつもりだったのか
「本来はそんなつもりなんてなくて、他の地帯を綺麗にするための掃きだめだったのよ」
「でも、誰かが信仰を為して、わたしたちは目覚めた」「その時一番強い支配権を持つ禁書の、鎮めるものとしてね」
>協力の内容
「金星への魔法門を開きたい」
「禁書に打ち勝った土地神は、人里を去って、星に棲むと言われているの」
「過去の土地神たちに頼ろうと思う。金星の加護は今も続いていて、誰かは現存しているはず」
「門を封じている2体の石像から断章を回収して欲しい」
「これが私からのお願いよ」
>断章を回収している
「えっ!」
「そうだったの………噂には聞いていたけれど 大法典って本当に強いのね」
「………」感情の読めない表情で口を引き結んだ。
「ありがとう、大法典の魔法使い」「あなたたちに便りを出して正解だった」
>いい感じのところで
「大変、もうこんな時間」
「ごめんなさい、もう行くわね」
「毒の処置をしに行かなくちゃ…! またあとで!」
魔女は話を半ば無理矢理切り上げるようにして家を出ていく。
すこしだけ天涯の魔法使いを気にしたようすを見せて、それから街の方へ出て行った。
異境「半死半生」
発生条件:特定のシーン表の効果か、3シーン開始時
少女の石像に襲われるシーン。石像は土から這い出た禁書の断片であり、土に塗れている。
石像には魔道具と思しき装飾品がいくつも飾られており、何かを封じ込める目的だったのではないかと考えられる。
また、土守の末裔がいた場合、「ツチモリサマ」と口にする。いない場合は、「ツチモリサマ…?ちがウ…」となる。
断章《常闇》の先攻で魔法戦を開始し、HO【土被る石像】を公開する。
テキスト
ざくり、どづ、どざり……足音にしては重たい音が背後から聞こえた。
振り返れば、───どうしたことだ!そこにいるのは土に汚れた石像である。
まるで大地の中から今這い出てきたような様相で、硬く冷えた瞳が2人を捉える。
石像には魔道具と思しき装飾品がいくつも飾られており、
何かを封じ込める目的だったのではないかと考えられる。
石像はケルンの方を見て、「ツチモリサマ」と零したあと、
ぼろぼろとその腕のかたちを崩しながら、波堤の魔法使いを指さし、
「わたし、ノ名は 《常闇》の碑」と言った。
閉ざされた魔法門
発生条件:アイテムを使用して魔法門を開いた
結論から言えば魔法門は開いた。魔女の家から遥かの金星へ向けて、黄金に輝く階段が伸びる。これを昇れば辿り着けるだろう。しかし階段の途中に光の壁がある。何かの加護のような光は、あなたがたが先へ進むことを拒む。
これは「結界創造」による結界である。土地そのものへの加護を兼ねる。
破壊した時点でクライマックスフェイズに移行する。
テキスト
この結界は土地神の権能だ。毒を……禁書を拒むための加護である。
この結界を破壊すると、断章を押さえつける力はなくなり、
禁書は元の力を取り戻してPCたちへ挑むだろう。
毒土の史を語り
発生条件:メインフェイズ終了時
アズィに頼まれ、PCたちは情報交換をすることになる。
彼の質問に答えるかたちで、メインフェイズで得た情報の整頓を行う。
アズィは最終的に、「魔女はすでに死体である」と結論付ける。
これはあながち嘘でもないが、「魔女の(肉体の部分は)すでに死体である」が正解である。
第二階梯と第三階梯の狭間にいる魔女は、肉体を持ちながら【復活】し得るのである。
とはいえPC①は魔女がまだ生きていることを言うわけにもいかない。そういうシーンだ。
テキスト
①過去について 担当:天涯の魔法使い
この地の信仰や、土地神のおこりなどについて整理します。
「じゃ、まずPC①に聞こうかな」
「俺がこの地の信仰について調べてるのは知っての通り。」
「うち、現存している信仰の痕跡といえばこのくらいだ」
地図に書き込んだメモを示す。新しい記録の中にあったものだ。(マップ右側)
「歴代、神は2人だった。だが、今の魔女…土地神は1人だ。」
机の上に、床の上に、窓の傍に、
所狭しと並べられた資料の群。
その中には今しがた書かれたかのような新しいものもあって、
それらの持ち主─────アズィはきみたちを笑顔で出迎えた。
「聞きまわったり、調べまわったりして」
「2人の役に立つんじゃないかって情報も結構見つかったんだ」
「当然内容も被ってるだろうから、まずはお互い認識を共有しよう」
「確認したい内容は大きくわけて2点。」
「どちらもこの毒土地帯の、 ①過去 ②現在 についてだ。」
「【神の数が減った理由】はなんだと思う?」 → 【土地紙信仰が衰えたから】
「じゃあ、それに関して2つ聞きたい」
「①、【過去に神が3人いた可能性はあるか】?」 → 【ある】
「②、【もともとあった神への信仰はどうやって始まった】と思う?」 → 【情報プライズ「黎明期の計画」】
「そういうことか…!病って石衣病のことだろ?昔ドクターに聞いたことあるんだ、ええと…」
「魔封の道具として、石衣病の患者が使われていたのか。そしてそれを正当化させるための信仰が、形を成して神が生まれた…」
「そしてその信仰がソーラル語の書きの消失袋綴じ事件と共に失われていったから」
「神の数はついに1人になっちまったと」
「…ふむ… とすると、待てよ」
「人道的じゃない行為を受け容れさせるために信仰を作った。」
「それを形成して、後にまで伝えさせるのは、石衣病患者本人じゃ無理だ。」「惨い部分は誤魔化した方が都合がいいから、信仰の核を握る人数は少ない方がいい」
「昔の毒土地帯で【発言力を持っていて、長い時間を生きられる存在】がいたってことだよな?それって誰なんだ?」 → 【ツチモリサマ。本来の土地神。】
「… なんてこった!土地神が新しい信仰を作ったってか!」愉快そうに笑い声をあげた
「ああ、だがそれなら話も通る。神が告げたとありゃあ人は聞くだろう、長くも残るだろう。そうだろうよ」
「ツチモリに似た単語が、そういえばソーラル語にはあるんだよな」
「”トゥ”が『○○のための』、”テ”が『大地』、”モリ”が『織物』、」
「複数形のィをつけて、【土たちのための羽織トゥ・ティモリ】─────」 → 【ケルンの姓では?】
「いやいや待て待て、俺の先祖はいたって普通の魔法使 …」
書工はそこで口を閉じた。
「いや、そうだ。先祖代々”いたって普通の魔法使い”なのがおかしいんだ。」
「魔法使いどうしの出生率の悪さは知っての通り、そうだとしても絶対に”血”を残して来た、きっと相応の拘りがあって」
「ツチモリの血を、絶やさないためだとしたら」
「信仰を保ち続けるためだとしたら」
「この毒土・を、禁書から守・るためだとしたら。」
「そりゃ、そうだよな…」
「であれば、ソーラル語を司っていたのもそのツチモリだろうな。」
「我々の同じ疵、同じ文字にも道理が通る上、」
「黎明期から存在している魔法使いにしかその役目は務まらん。あとに生まれた土地神では矛盾する。」
「1000年前に袋綴じ事件─────ツチモリの消滅が起こり、」
「3人生まれるはずの神は以降徐々に減少し、」
「今ひとりの魔女にまで至った。これが歴史だろう。」
②現在について 担当:波堤の魔法使い
今回、2人がここを訪れた目的と、魔女の動向について整理します。
「まず、俺はあんまり二人の目的をちゃんと知らないんだよな。」「魔女様に会いに来たぐらい」
「【二人はどうして毒土にやってきたんだ?】」 → 【5年前に届いた手紙をみつけて】
「なるほど… 5年前に届いたけど、そっちでソーラル語読めるやつがいなくて放置されてたんだな」
「で、たまたまこうなって…」
「助けてください、か…」
「気になるな。【5年前、魔女様の身に起きたこと】ってなんだと思う?」 → 【断章の逆襲に遭った】
「待てよ?魔女様は1人で神として目覚めたんだよな。【あと2つの断章はどこへいった】んだ?」 → 【土に埋まった石像の中にいた】
「確認させて欲しいんだが、断章は石像の中に封印されてたんだよな?」
「じゃあ、断章に自我を奪われるって、俺はちょっと変な気がするんだ」
「神がいなくなっても石像が残るように、また魔女様の像が街中にあるように、「像」と「神の肉体」は別物だ。」
「聞いた話と合わせると、人間だったかつての患者と、土地神として目覚めたものは、正確には別の個体なんだろう」
「しかも、魔法使いも石衣病で死んだんだろ?だったら土地神として目覚めても自分の肉体は治せないだろうから…」
「… 断章は今も、街中の魔女様の像の中にあるはずだ。」「なあ、実際どうなんだ?」
「【街にある魔女様の石像に断章はあったのか】?」 → 【なかった】
「となると、普通は外に出られないはずの断章は、既に外に出てるんだな。」
「封印が緩んだか、それか─────」二人を見る。
「あんたらの手にそれらがあるように、誰かが干渉したか。」
「だとしたら……」
「変だよな。」
「魔女様は5年前から、めっきりソーラル語を書かなくなったんだ」
「病人に変なことしてるとかは、断章がそういう性格だからとかで、まあわからなくはないんだが」
「書けない読めないは変だ。魔女様に憑いてるなら、それはわかるはずだ」
「だから、……」眉を寄せて
「俺は、5年前 、……」
「魔女様は、殺されたんじゃないかと思う」 → 悪意はないが嘘である。PC①はまだ黙っててください。
「断章が憑いてるのは、ただの魂の無い死体なんじゃないか」「意志も、記憶もない その形だけの………」
「断章は魔女様のふりをしたかったんだと思う」
「3つのうち1つだろ、まだ完全に力が戻ってないから…」
「でも断章にはわからない。魔女様が知っているはずのこと、やってきたこと」
「あの人がこの毒土のためにどれだけ努力してきたか。」
「だから、…」
「都合の悪いことが起こるたびに、断章は」
「皆から記憶を奪ってきたんじゃないのか。」
「なあ、2人は何か知らないか、」
「この毒土で、【人の記憶を忘れさせたり、勘違いさせたりできる力や、アイテム】を 何か…」 → 【魔女の褥】
「70年前のことを誰も覚えていないのは、そういうことだと思うんだよ…」
「……正直、魔女様の生存は絶望的だと思う。あの人がこの場所を放っておくはずがないから」
「ただ、そうだとしても…… その姿で好き勝手なことをされるのは、嫌だ」
「魔女を騙る者を討ってくれないか。」
エネミーデータ
▋禁書《常闇と星蝕み詞》
黎明期にソーラーレを蝕んだ禁書の一冊。星の放つ光を奪い、不気味に笑む黒い星に仕立て上げる。その災厄は「魔女のカーテン」と呼ばれ、恐れられた。現在毒土地帯において、最も影響力の強い禁書である。今現在毒土地帯で産出される魔女の褥は、このカーテンを星の光が切り裂いた欠片である。夜までも毒が覆い隠そうとする時、金星の光がそのカーテンを切って落とすのだ。
領域:星 特技:《大地》《異界》《深淵》《微笑み》 魔力:(22-1)=21
攻撃力:2 防御力:3 根源力:3
【袋綴】
【血契召喚】
【祖霊】
【闇鞄】-魔女の褥、焦点具《異界》、アルハザードのランプ(遠見の水晶)
【煉獄】
【霊鎧】
【彗星】
【捕食】
▋断章《常闇》
領域:闇 特技:《深淵》 魔力:7
攻撃力:2 防御力:3 根源力:3
【闇鞄】-魔女の褥、焦点具《異界》、アルハザードのランプ(遠見の水晶)
※剥奪の際にアイテムも剥奪出来てよい。
【煉獄】
【霊鎧】
▋断章《星蝕》
領域:星 特技:《大地》《異界》 魔力:(7-1)=6
攻撃力:2 防御力:3 根源力:3
【彗星】
【捕食】
▋断章《御詞》
領域:歌 特技:《微笑み》 魔力:8
攻撃力:2 防御力:3 根源力:3
【袋綴】
【血契召喚】
【祖霊】
─── クライマックスフェイズ ───
以来魔女は忽然と姿を消した。
まるで2人が門を開くのを待っているかのように音沙汰を無くしたのだ。
好転か暗転か───さておき、2人は事態を次に進めるために、断章を用いて門を開くことになるだろう。
儀式の場で撚り集めた2篇の断章は、金星の光を受けて怪しく輝き出す。
螺旋を描いて窓の外へ浮き上がると、それは光の階段を描いた。
そして街中が見渡せるほどの上空まで梯子を架けると、そこにあった結界を打ち砕く。
空間にぽっかりと戸が開いた。その向こうはうす黄土色の闇だ。
その方にむけて踏み出そうとしたか、ないか……
あなたがたは気付く。後ろからかつかつと響く、魔女の足音に。
「こんばんは、大法典の皆さん。」
「正直予想外だったわ……まさか、今更あなたがたに見つかるなんて」
「ね、自己紹介がまだなんじゃないかと思ったの」
「私は断章《御詞》、ひいては禁書《常闇の星蝕み詞》」
「───魔女は5年前殺したわ!」
「門は開いたのね?ありがとう。特別に何をするのか教えてあげる」
「今からあの門を通ってね、遠い闇から星が堕ちるの。この土地は再び混沌に落ちる」
「止めたいなら星を壊すしかないわ!あなたたちに間に合うかしら?あはははは!」
○集団戦について
敵の代表は《常闇の星蝕み詞》。
立会人に「金星」が登場します。「金星」の魔力は「5以上」。
・「金星」の魔力がゼロになるか、【彗星】の効果が発動すると、星は壊れ、消滅します。
・「金星」の扱いは通常の立会人と同じです。
PCたちが名乗れば魔法戦を開始。
HO「金星直下、毒土の魔女」を公開します。
「さあ、私は名乗ったわよ。万学の末端ども」
「あなたたちは星降る地に立つのかしら!」
【金星直下、毒土の魔女】の秘密を公開する
禁書が空に手を掲げる。
一寸の光も許さぬ闇が満天を覆い、毒土は刹那のうちに常闇に包まれた。
しかしその直後、金色の光が闇を切り裂くと、闇のカーテンは剥がれ落ちる。
だれにとっても、ここは天涯の地。災厄の防波堤。
どうか届いて、神の棲む星の光が!
「チッ… どうして」
「お前は5年前に殺した!この死体がその証!」
「虚構の信仰だって潰えた、もう金星に神はいない!」
「なのにどうして…」
「”お前の加護《金星の光》”がこの地を照らすの…!!」
第二階梯のキャラクターは、「復活」、「運命介入」のルールが使用できません。(基本P44)
第三階梯以上の魔法使いは、魔力によって、その生命活動を維持しています。
いわゆる物理的な生物とは異なる生命体です。
(中略)第三階梯以降の魔法使いなら、魔力の喪失が終わりを意味するわけではありません。
死亡したとしても、魂さえ存在していれば、
肉体を再構成し、復活を試みることができるのです。(蒐集日記P91)
次の階梯へと成長するためには、【攻撃力】と【防御力】と【根源力】、
すべての値が、自分の現在の階梯に1を足した値になる必要がある。
この値には、【攻則】や【霊装】、【魔族】など、能力値を上昇させる装備魔法の効果も含まれる。(基本P85)
これが、最後の謎を解く鍵だ。
肉体を持つ第二階梯でありながら、かの土地神が復活を果たすための、唯一の手段。
彼女は【魔族】、金星の魔女。文字の通りの異端者である。
金星の魔女は「攻撃力3」「防御力3」「根源力2」を持ち、
時によって第二階梯にも、第三階梯にも成り得る。
彼女は肉体を持ち、また同時に【復活】を行うことができる。
─── エンディング ───
波堤の契約
PC②
禁書を編纂すると、あたり一帯を覆っていた毒の瘴気が引いていく。
そしてじわりと滲み出すのは、これまでとは別の毒──禁書の気配だ。
この地を覆う毒はまた変わり、そして新たな土地神が生まれるだろう。
2人の前に残されたのは、空へと伸びる光の階段だ。
中空にぽっかりと開いた門──その向こうへと、足を踏み入れることになる。
その先は、荒廃した神の都だった。
建造物だったのだろう石積みは、地表を攫う嵐によって砕かれ、
かつて神だったのだろう者は、物言わぬ石像となって朽ちている。
そしてそのような残滓の前に跪き、手を組み、祈る者がいた。
震える指先を固く握り、乾いた土に涙を零しながら。
「わたしたちを たすけてください…」
魔女はPCたちに気が付くと、禁書はどうなったかを聞く。
ことの経緯を知り、あるいは説明し、改めて魔女は願う。
「災いは根から断たねば、必ず同じことが起こります」
「大法典には、この地の禁書の回収をお願いしたいの」「扱いは全て任せるわ。」
「この地に生まれる神は。今後もう必要がなくなるのだから、あなたがたの戦力として送っても構わない。」
「請けられる、ないの返事は急がないから、一度この話を持ち帰ってもらえないかしら」
当代の土地神はPCたちに助力を願い、提案する。
この地の禁書を全て回収するまでの間、土地神として以外の存在の依代が欲しい。
私と契約を結んでくれないか、と。
「この天涯の地にて、わたしが闇の波堤となりましょう。」
PCは戸口に所属することを選択できる。
その場合「金星の魔女」への運命を1点獲得する。
また、諸般の事情(蔵書とか…)でPCが戸口に所属しにくい場合、プレイヤーの別のPCが協定を結んでもよい。
その場合は、「そのPC」への運命を1点獲得し、
そのPCが「金星の魔女」への運命を1点獲得する。
天涯の地
PC①
「じゃあ、見送りはここまでかな。悪いけど頼むよ」
毒土地帯の南西、蒸気地帯を目の前にした岐路にて、
ケルンは2人に大法典宛の報告書を託すとそう言った。
疵の克服のため、あるいは大法典の戦力が派遣される際の現地対応員として、
ケルンは今しばらく毒土に留まることになったのだ。
帰還、兼、おつかい。2人の最後の任務となる。
毒土で出会った面々も見送りに来ていた。
このシーンに誰が登場するかは、道中のPCたちの交流状況によって異なるが、基本全員見送りに来るとして良いだろう。アズィはもう少し残ってくれないかなと思っているし、ドクターもなんだかんだ達者でな…と思っている。アリーシャはこれからもよろしくねと思っているし、混血主義者は……登場しないかもしれないが…きっとまたどこかで会うだろう。予言の旅はこれからも続いていく。